スイス犬聞録サースフェーのファスナハト編
2008年1月26日−2月2日

まだまだ日が短くて寒い1月下旬。
例年よりちょっと早めに雪山に出かけました。
今年のサースフェーのファスナハト(カーニバル)は
1月最終週にあるからです。
写真は朝8時のアラリンホルン。
半分になった月がファスナハトの始まりを知らせます。
1月27日の日曜日からグッゲ(Gugge)とよばれる
ブラスバンドがサースフェーの村のあちらこちらで
ファスナハトの音楽の演奏を披露していました。
一番盛り上がったのは30日水曜日の夜8時。
サースフェーの谷間に設けられた広場で
花火の音とともにグッゲが演奏を始めると
村中から人々が集まって一緒に踊り始めました。
水曜日の夜のクライマックスは山の上から
まぶしく光る飾りや衣装をつけて高速で滑り降りてくる
スキーヤーやスノーモビールの出し物。
そして、たいまつを持ってそれを見守る村人たち。
最後は大きな花火で締めくくられました。
サースフェーのファスナハトは光と音楽の効果を
上手に使う幻想的なお祭りです。
ファスナハトは花火で終わったわけではありません。
木曜日の朝4時、グッゲの音楽で人々は目を覚まします。
この日の朝に限って大雪が降っていたサースフェーでしたが
グッゲはお昼頃まで村を練り歩き続けました。
写真は朝の7時半頃、ハリーの散歩中に撮影したもの。
ちょうど演奏をお休みして歩いていたグッゲでしたが
ハリーとハリーの主人がじっと眺めていることに気づくと
ワオーン!と犬の鳴き真似をしながら演奏を再開してくれました。
ファスナハトはまだまだ続きます。
木曜日の夕方は衣装を着けた人々がコンフェッティと呼ばれる
紙吹雪を観客に投げつけながら村を練り歩きました。
バーゼルのファスナハトでは犬にはコンフェッティを
投げつけたりしませんが、サースフェーでは人間だろうと
犬だろうと猫だろうと容赦はしません。
みんな色とりどりのコンフェッティまみれになりました。
バーゼルのファスナハトではヴァッギスがパレードの主役ですが
サースフェーでは真っ黒いお面に鮮やかな色の衣装を身につけ
腰から大きなカウベルを下げた人たちが主役のようです。
馬のしっぽのようなハタキで人々のお尻をペンペン叩いたり
頭や肩についたコンフェッティを優しく払ってくれたりします。
彼らが走ってくると大きなカウベルの音が響いてきます。
ファスナハトで犬も人間もちょっと寝不足気味になりましたが
毎朝7時には飛び起きて村を歩きながらハリーのトイレを済ませ
大急ぎでスキーに出かける準備をしました。
ロープウェイとケーブルカーを乗り継いで頂上に到着。
今回の滞在中も日中はとてもよく晴れました。
気温はマイナス5度前後と1月にしては暖かい方でしたが
頂上付近では少しでも風が吹くと吐く息が凍りつきました。
昨年同様、リュックサックのポケットに使い捨てカイロと
うんち袋と遭難したときのためのドライフード1日分を携えて
ハリーは主人の背中でスキーを楽しみました。
リュックサックの口がしっかり閉まっているか
ちゃんと確かめてから滑り始めます。
夏の間は青く見える氷河もこのとおり
真っ白な雪で覆われていました。
途中、山小屋のテラスで休んで...
また出発!
ハリーはメッシュの間から高速で過ぎ去る山の景色を
じっと見つめます。
通常のコースから少し離れたところでは
このような奇妙な形の雪層も現れます。
スキーに接触して怪我をすることがないように
人気ない所に来た時だけハリーは外に出て手足を伸ばしました。
雪の臭いをかいだり、地面を掘ってみたり、走り回ったり、
満足するまで遊んだらまた自分からリュックサックに戻ります。
この1週間は毎日本当によく遊びました。
夕方の村の風景。
スキー場から宿に戻る人々を哀しく目で追っているように
犬のうんち用ゴミ箱が雪の中で独りたたずんでいます。
うんちボックスさん、お役目ご苦労様です。
美しいサースフェーでこれからも犬が歓迎されるように
犬のフンをしっかり片付けようと心に誓うハリーの主人でした。
さて、バーゼルに戻ったら今度はバズラーファスナハトが
待っています(下記注参照)。

注:通常、キリスト教のカレンダーでは灰の水曜日の前の3日間がカーニバルとなっています。リオもベネチアも世界中のカソリック地域がこの週にカーにバルをお祝いします。しかし、バーゼルでだけは灰の水曜日の後の月曜日からの3日間がカーニバルです。バーゼルが1週間遅れでカーニバルを行うようになったのは16世紀の宗教改革でプロテスタントとなったことと関係があるようですが、それを証明する歴史的文献が残っていないため、はっきりとした理由は分かっていません。

(2008/2/4)

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